京都市左京区の下鴨神社は、2000年以上の歴史のある神社で、朝廷・皇室ともゆかりの深い神社です。また、京都三大祭りの葵祭でも有名で、世界遺産にも登録されています。
積年の課題である、国宝など多くの文化財や糺の森を含む広大な境内地の維持管理にかかる費用や式年遷宮を行うための費用などを確保すべく、境内地の一部(9,647㎡)について当社に土地活用(借地権)を委嘱されました。
当初はホテルを検討しましたが投資採算が合わず、マンション事業となりました。
世界遺産の隣接地でもあり、景観保全と持続可能性を両立できることが条件となります。
計画策定では参道の整備、樹木の保存など美観風致に配慮して、京都市の景観計画に沿った計画を構築し、事業が許可されました。
事業化に際しては、神社の歴史にふさわしい大手4社による事業コンペを行いました。提案内容について、地代や権利金などの経済条件、計画の妥当性、事業の進め方や役割分担などを慎重に評価し、最適な事業者を神社に推薦しました。
高さ10m制限地域の低層和風の高級マンションとして、周辺環境と調和しています。
上記において、当社は神社に意思決定いただくための、事業の根幹となる内容や進め方を立案、調整、交渉して、事業を実現させました。また、定期借地契約など神社が締結される対外文書も当社が起草、調整しています。
このプロジェクトの特徴として、神社の財政的な安定の確保だけでなく、マンション購入者による神社の伝統行事への支援参加などの役割を付与することにより、文化遺産の保全とコミュニティの活性化に貢献できたと考えます。伝統と未来をつなぐ価値の創出と信じています。